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| 2003/12/18 |
「博士の愛した数式」
小川洋子 著 新潮社
ISBN4-10-401303-X \1,500
【新潮文庫】ISBN4-10-121523-5 \460
私の、今年出会った小説のナンバー1です。28歳の家政婦の「私」と老数学者の「博士」そして「私」の10歳の息子「ルート」が織り成す温かくて優しい、それでいて驚きに満ちた物語。博士が説く数字の美しさに絡んで語られるのは、なんとあのプロ野球の名選手江夏投手!意外さが放つ新鮮さと緻密な構成に感嘆させられ、ページが少なくなっていくのが惜しくてたまりませんでした。間違いなく、傑作です。1500円であなたも至福の時間を。 |
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| 2003/12/04 |
「東京大学応援部物語」
最相葉月 著 集英社
ISBN4-08-781153-0 \1,500
【新潮文庫】ISBN978-4-10-148224-8 \420
神宮球場9回の裏、19対0。それでも「逆転だ!」と声を張り上げる東大応援部。そんな彼らの去年1年の軌跡をたどったノンフィクションです。血のにじむようなトレーニングを重ねる彼らの「何故応援するのか」という疑問は、青春の青臭さを極めた者にしか得られない哲学を生み出し、読み手の心を静かに揺さぶります。信念を持ってひとつのことを続ける尊さ、抑制のきいた筆致で描かれた友情・根性・涙。気持ちよく、泣かされました! |
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| 2003/11/20 |
「ティモレオン
センチメンタル・ジャーニー」
ダン・ローズ著 アンドリュース・クリエイティヴ
ISBN4-901868-05-5 \1,500
【中公文庫】ISBN4-12-204682-3 \760
過ぎ去った華やかな日々を思い出しながら暮らす作曲家のコウクロフトは、突然現われたハンサムな青年に心奪われ、彼の言うままに愛犬のティモレオンを捨てる。家を目指して長い旅をするティモレオンを待ちうけていたのは・・・。ティモレオンが途上で出会う人々の美しい人生の断片を織り込みながら、ひとつのストーリーが「こより」のように収束していきます。結末の、いわく言い難い味わいは特筆もの。各方面で絶賛された英国人作家の最新作。 |
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| 2003/11/06 |
「新『親孝行』術」
みうらじゅん 著 宝島社文庫
ISBN4-7966-2916-5 \476
墓に布団は着せられぬ。今すぐしよう親孝行。マイブームの生みの親みうらじゅんさんが、たゆまぬ研究から得た様々な親孝行のツボを惜しみなく披露している一冊です。親孝行実践者を「親コーラー」と名づけ「親孝行はプレイである」という持論のもと、サービス精神と接待感覚あふれるいろんなプレイが示されています。帰省のテクニック、親孝行寿司とは何か、友達の活用法などなど、読んだらひとつは試してみたくなる!恥ずかしがらずにあなたも、レッツプレイ! |
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| 2003/10/23 |
「岐路に立つ君へ
価値ある人生のために」
福田和也 著 小学館文庫
ISBN4-09-402897-8 \476
「大学生の息子に男の生き方を教えてやってくれ」・・・尊敬していた年上の友人が死の床で残した言葉。彼との約束を果たすべく福田さんが書いた8通の手紙がこの本のベースになっています。「就職」と「仕事」はイコールではない、「礼儀正しい」というのは「油断をしない」ということ等々、淡々と厳しい言葉が連ねられています。お説教くさいなぁと思うもののうなずかされてしまう。気持ちが立ち止まったとき、真摯なメッセージが欲しいときに。
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| 2003/10/09 |
「王妃の離婚」
佐藤賢一 著 集英社文庫
ISBN4-08-747443-7 \686
15世紀のフランス、名門パリ大学の伝説的学生だった弁護士フランソワは「醜いから」という理由で当時の王様ルイ12世から離婚裁判を起こされた王妃ジャンヌの弁護を引き受ける。がけっぷちの裁判、フランソワはどう反撃に出る?西洋歴史ものって難しそうという先入観を打ち破ってくれる、一気読みの面白さです。最後に明かされる「衝撃の事実」に切なさがこみあげます。結婚・恋愛・男と女。永遠のテーマが盛り込まれた4年前の直木賞受賞作。 |
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| 2003/09/25 |
「笑う山崎」
花村萬月 著 祥伝社文庫
ISBN4-396-32637-8 \590
あの北野武監督をして「文字から目を背けたくなった」と言わせしめた一冊です。執拗な暴力の描写が登場するので、苦手な人にはお薦めできません。しかし、暴力はこの本の中で単なるお飾りに過ぎないのだと気付いたら、あなたも主人公「山崎」の倫理に心酔することでしょう。人間が生きるのに必要なものはなにか。あまりにもシンプルで、気恥ずかしくなるようなこんな問いに対する見事な答えがずばり、示されています。
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| 2003/09/11 |
「ぼくの美しい人だから」
グレン・サヴァン 著 新潮文庫
ISBN4-10-232901-3 \819
再読に耐え得る、男女共に楽しめる稀有な恋愛小説です。偶然やすれ違いに頼らないストーリー展開と恋人同士の姿を盗み見しているようなリアルな描写、そして、人を愛すること、自分に正直になるとはそもそもどういうことなのかというシンプルな問いに対する答えが見事に書かれています。翻訳ものにありがちな読みづらさもありません。523ページ、最後の1行まで味わってください。この本、残念ながら今後は手に入りにくい状態になってしまうそうです。お求めはお早めに! |
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| 2003/08/28 |
「へこジャパ
凹まぬジャパニーズ」
いじりめぐみ 著 ユーコン社
ISBN4-537-25154-9 \1,200
過激で下品で、大笑い!マイクロソフト勤務のアメリカ人男性と結婚しシアトルに移住した元広告代理店勤務の女性(=作者)は身長177センチの凹まぬジャパニーズ。趣味は暴飲・暴食・暴力!という彼女が吐きまくる暴言は、まず行動ありきの説得力に裏付けられています。有色人種差別、異国の地での様々なジレンマなどを、なんでも来やがれ!のたくましさでやっつける。元気をもらおう、なーんて思ったらパワーに跳ね返されちゃう、暴走エッセイです。 |
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| 2003/08/14 |
「夏の庭」
湯本香樹実 著 新潮文庫
ISBN4-10-131511-6 \400
ある「思いつき」から、小学6年生のやんちゃ坊主3人は町外れに暮らすガンコじいさんを「観察」し始める。探偵気取りの「観察」は、少しずつおじいさんとの交流に形を変え、年齢を超えた友情が育まれていくのだが・・・かけがえのない、しかし決して失われることのないものに気付いた彼らの一人が発する211ページの最後の行のセリフが心に染みとおります。コスモスの咲く「夏の庭」の風景が、読後感を爽やかに彩ってくれます。 |
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| 2003/07/31 |
「清水ミチコの「これ誰っ!?」」
清水ミチコ 著 宝島社
ISBN4-7966-3450-9 \952
日本広しと言えども「顔マネ」という分野において清水さんの右に出る人はいないでしょう。清水さんがチャレンジした有名人74人の顔マネが集められた一冊です。人間の顔のどの部分がその人を「その人にしているか」についての熟考が煮詰められた渾身の「顔マネ」に、日頃のストレスも吹っ飛びます。三谷幸喜さんとの対談も収められています。似てるっ!似てないっ!ここまでやるか!?そんな独り言を言いながら楽しんでください。(電車の中では読まないようにね) |
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| 2003/07/17 |
「ブルーもしくはブルー」
山本文緒 著 角川文庫
ISBN4-04-197002-4 \460
自分がもうひとりいたら、どうする? どうなる? 東京で何不自由ない生活を送っていた「蒼子」は「昔の恋人と結婚していた自分」に出会い、生活を取り替えてみようと提案する。ふたりの「蒼子」が行き着く先は・・・。ファンタジックなのにとてもリアルな展開に引き込まれます。ラストはハッピーorアンハッピー・エンディングなのか、読む人によって違ってきそう。女友達と語り合いたい一冊。 |
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| 2003/07/03 |
「手紙」
東野圭吾 著 毎日新聞社
ISBN4-620-10667-4 \1,600
【文春文庫】ISBN4-16-711011-3 \620
読み出したらやめられなくなり、本を閉じるまで眠れなくなりました。つくりものである「物語」によって心が動かされることの不思議さと素晴らしさを強く感じさせてくれた一冊です。強盗殺人犯の兄を持つ弟が、社会の中で生きていく上で出会う様々な困難と、彼が兄の出所前に出した決断、そして、ある登場人物の口から語られる「差別は、当然だ」という言葉が、胸に響いてきます。ラスト数ページは、是非ひとりの空間で読んでくださいね。 |
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| 2003/06/19 |
「娘心にブルースを」
原 由子著 ヴィレッジブックス+(ソニー・マガジンズ)
ISBN4-7897-1894-8 \600
ハラ坊っていつもニコニコしててほんわかしてて幾つになっても少女みたいだよね・・・そんなイメージを全く裏切らない「自伝」です。横浜の天ぷら屋さんの娘として誕生してから、クラプトンに夢中になった学生時代、サザンのデビュー、桑田さんとの結婚、出産までが、イヤミがなさすぎて妬けちゃうくらい素直なタッチで綴られています。中学時代に友達と組んでいたバンドの名前が「ブッズ」(ブスの複数形)だったとか、笑えるエピソード盛りだくさん!なごみたいときに是非どうぞ。 |
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| 2003/06/05 |
「強くて淋しい男たち」
永沢光雄 著 (カバーイラスト 森宏) 筑摩書房刊(ちくま文庫)
ISBN4-480-03748-9 \880
風俗に関するルポルタージュを主に手がけてきた永沢光雄さんが、20人のスポーツ選手と3つのプロレス団体を取材したノンフィクション。「おとなの特選街」「毎日中学生新聞」という、対極にあるような媒体に連載されたルポをひとつにまとめた希有な一冊です。それぞれの選手へのインタビューと同時進行のように、著者、永沢さんの「情けない」日々の断片も書き下ろしとして掲載されています。880円の中に、たくさんの濃い人生が詰まっています。 |
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| 2003/05/22 |
「ナンシー関の記憶スケッチアカデミー」
ナンシー関 編・著 角川文庫
ISBN4-04-198609-5 \476
読む前に紙とペンを用意して、何も見ないで「エビ」を描いてみてください。・・・描けましたか? ありゃりゃ?ってな感じではないでしょうか。記憶のみに頼って絵を描く「記憶スケッチ」。不世出の消しゴム版画家にして天才コラムニストのナンシー関が「ひょっとこ」「カマキリ」などのお題を出し、一般の人から寄せられた「スケッチ」から、人間の記憶のあやふやさ、あいまいさを見事に分析しています。消しゴム版画の素晴らしさも味わえます。
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| 2003/05/08 |
「最後の息子」
吉田修一著 文春文庫
ISBN4-16-766501-8 \505
最後の8ページに詰まっている「おかしくてせつなくていじらしくてちょっぴりかなしい」出来事が「最後の息子」というミステリアスなタイトルの謎を教えてくれます。この他、酒屋を営む父と2人の息子のひと夏を描いた「破片」、長崎の高校の水泳部を舞台にした、清々しい青春小説「Water」の3編が収められています。「Water」の読後感はまさに「水でじゃばじゃば心を洗われた」ような気分!ラスト3行の爽やかさを是非味わってください。
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| 2003/04/24 |
「秋に墓標を」
大沢在昌著 角川書店
ISBN4-04-873370-2 \1,667
【カドカワ・エンタテインメント】ISBN4-04-788171-6 \980
固定ファンも多い著者の最新刊。都会での華やかな仕事を捨て、外房で犬と釣りを友とする生活を送っている主人公が、失踪した謎の美女の行方を追って危険な匂いのする旅に出る・・・男は「一目惚れ」でここまで女を愛せるのか?男の友情のかたちとは。カップルで読んで感想を言い合うのも面白そう。あまりにもせつないラストはハードボイルドの雰囲気たっぷりです。さて、あなたは「殺し屋」の正体に途中で気付くでしょうか?
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| 2003/04/10 |
「ファイアハウス」
デイヴィッド・ハルバースタム著 鈴木主税=訳 集英社
ISBN4-08-773382-3 \1,800
2001年9月11日に世界貿易センタービルに出動したニューヨークの消防士13人。亡くなった一人一人の「その日までの人生」を追ったドキュメンタリーです。仕事に誇りを持ち、仲間を愛し、市井の人としてそれぞれの家族やパートナーと共に生きてきた彼らの人となりをピューリッツア賞作家のハルバースタム氏が描いています。ドラマティックに謳いあげないからこそ、真実が熱く胸に迫ってくる一冊。裏表紙には彼らの写真も。
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