[ Together with A Guest ]
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2009.05.02 O.A
三味線プレイヤー
上妻宏光さん
this week Guest
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icon 『遠いんだけど、ちょっと近づけたいな』


渋谷:
去年リリースされたアルバム『AGATSUMA PLAYS STANDARDS』には、マイケル・ジャクソンの「BEAT IT」や映画『ミッション・インポッシブル』のテーマ曲も収録されていて…。これを津軽三味線で弾いちゃう!?

上妻:
「BEAT IT」は僕が中学生の頃、プロモーションビデオを見てね、あの影響があって、機会があったらこの曲をやりたいなって思ってたんですよね。

渋谷:
「BEAT IT」と津軽三味線を交差させたいって思ってたんですね?

上妻:
そうなんですよ。学校でも三味線をやってる友達っていなかったんですよ。だからいずれは三味線っていうものを同世代の人にも聴いてもらいたいなと思ってたんでね。その時ちょうど深夜番組で、小林克也さんがやっていた音楽番組があったんですけど、それを見ていて、「あー、アメリカってすごいな」って思って。そういう楽曲を作る国に憧れ、アーティストに憧れ、「アメリカ行きたいな」って思ってたんですよ。

渋谷:
でも津軽三味線だし、ちょっと遠いところにいる…。

上妻:
そう。遠いんだけど、ちょっと近づけたいな、という思いが中学生の頃からあって、それをだんだん具体化していったのが17、18歳の頃ですかね。

渋谷:
もうその頃からアメリカとの心のブリッジはできていたんですね。そもそも津軽三味線をやろうと思ったキッカケは何だったんですか?

上妻:
父親が趣味で三味線を習っていまして。生でその音を聴いたっていうのが一番良かったんですかね。

渋谷:
オシャレな趣味ですね!

上妻:
高価な楽器なので、父親は「触るな」って。だから最初は、父親が会社に行ってる間に目を盗んで隠れて弾いていたんですよ。でもバレて怒られて、でもまた練習してバレて…って。そしたら「練習するなら教室に行きなさい」と。もうそこからが楽しくて。

 

icon 『やっぱり一人一人に良さってあると思うんですよ』



渋谷:
始めて津軽三味線を弾いた時から、肌身離さずずっと?

上妻:
そうですね。小学校3年くらいまでは相当練習しましたね。

渋谷:
三味線奏者のプロとしてやっていこうって、自分で確信したのはいつぐらいの時でしたか?

上妻:
僕がプロを目指そうと思ったのは14歳の時だったんですけども、ちょうどその時、大会で優勝したこともあったんで。三味線の才能はゼロではないなと感じましたし、大好きだっていうこともありましたので、プロとしてどこまで通用するか試したいなと。それで15歳の時に東京に出てきたんですけどね。

渋谷:
迷いや自信を失ったりってことは?

上妻:
やっぱり自信はないですよね。高校生ぐらいだったらギターをやった方が盛り上がるし、モテるしね。でも自分の中では三味線はどこかカッコイイっていう思いがあったんですね。で、すごく不安な時期があったんですけど、世界のいろんなアーティストと競演していくうちに、ある外国人のアーティストから「三味線は素晴らしい。君はこの楽器をやり続けた方がいい」と。「一人一人に特技がある」と。僕にとっては三味線が特技だったんだなと感じたんですよね。

渋谷:
あぁ。

上妻:
やっぱり一人一人に良さってあると思うんですよ。すごくスタイルがいい、顔がいい、頭がいい、運動が得意だ、美術、音楽が…ってそれを探す旅だと思うんですね、人生って。

渋谷:
必ず何かひとつは持っているっていうことは信じて…。

上妻:
自分は信じています。だからそれも訴えていきたいと思うし、絶対に持っているハズなんですよ。そのために生を受けてきたんですから。

渋谷:
ありがとう! がんばる!(笑)

上妻:
はははは(笑)

渋谷:
6月からコンサートツアー「上妻宏光 ASIA UNIT TOUR 2009」が始まるんですよね。どんなツアーなんですか?

上妻:
中国の楽器“二胡”と韓国の楽器“カヤグム”、それぞれの名プレイヤーにお願いして。アジアから発信できるものを作りたいなと。これまでは西洋の楽器とセッションすることが多かったんですけど、海外に行ってみて改めて日本の良さとかアジアの良さを知って。それをいずれ自分が、アジアの人達と一緒に楽曲を作って演奏したいなと思ってたので。それが願いかなって、今年、ツアーができることになったので。

渋谷:
上妻さんと中国のウェイウェイ・ウーさんと、在日コリアンのパパク・スナさんと。三味線もそうですが、こういった楽器を生で聴いたことがある人ってそんなにいないんじゃないですかね?

上妻:
そうですよね。なかなかアジアの楽器を生で触れる機会ってないですよね。是非この機会にアジア、中国、韓国の音楽を知ってもらってね。それで次に中国や韓国に行った時に、ちょっとまた違う見方ができるのかな、と思いますけどね。

渋谷:
上妻さんの音楽を聴いていると、私もどんどんその世界に入ってみたくなります。

上妻:
そういう風に言ってもらえると嬉しいですね。

渋谷:
三味線とかって着物を着て…ってかしこまった感じでハードルが高いみたいなイメージがありますけど…。

上妻:
でもね、例えばクラシクやバレエも、最初は「うわぁ、ちょっとこんな格好じゃ観に行けないのかな」とか思ったりするけど、本当は一般の人が普通に観に行ってたものもある訳ですよね。だから自分としては、そういうキチンとした形も持ちながらも、一般の人にもっと分かってもらえるようなコンサートっていうものをやっていきたいなと思ってます。

渋谷:
やっぱり感動できるものっていうのは、いろいろありますものね。

上妻:
やっぱり食わず嫌いではなく、どんどん飛び込んでもらって。このデザート食べたこと無いけど食べてみたら美味しかったとか、まずかったとか、自分で判断してもらって。人の噂じゃなくて自分で確かめて…っていうのが重要じゃないかなと思いますよね。

渋谷:
その方がいろいろ体験できるし、楽しめるし。意外と人生ってサプライズが多いかも知れないですしね。

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