
『6歳のときにラジオでヴァイオリンに出会って』
渋谷:
川井さんはいつヴァイオリンに出会ったんですか?
川井:
6歳のときにラジオでヴァイオリンに出会って、すごいしびれたんです。半年間、親にやりたいとねばって手元に来た楽器なんで、最初から神々しかったですね(笑)
渋谷:
へぇ!
川井:
待たせるって大事ですよね!ときめきや憧れが高まっていたんで、ヴァイオリンって、ちゃんと音がでるまで時間がかかるんですけど・・
渋谷:
そうそう、そこが続けられるかどうかの難関ですよね!
川井:
でも私は憧れが強かった分、気付いたら、練習が大変で嫌になってしまう時期を越えていた、という感じですね。
『私をときめかせてくれたのは、この音だったな』
渋谷:
お子さんが生まれてどんな変化がありましたか?
川井:
そうですね、それをきっかけに、自分から何かをやらないではいられないという気持ちになって。最初は施設などに電話して「ヴァイオリン弾けるんだけど、何かできませんか?」みたいなことから始まって(笑)
渋谷:
本当に自分自身で動いたんですね。
川井:
でも個人だとなかなか受け入れてくれなかったんです。でもU2のボノさんが来日したときの集まりに私も呼んでいただいて。そうしたら、やはりそういう活動をやっていらっしゃる方と出会えて、そこから、始めれるきっかけをもらいました。
渋谷:
今はどういう形で活動されているんですか?
川井:
アフリカの孤児院を支援するために「川井郁子 Mother Hand 基金」というものを立ち上げて、それを中心にチャリティコンサートをやったりですとか、あとはUNHCRという難民を支援する国連の団体に参加させていただいて、アフリカやアジアの難民キャンプへ行って、子供たちにヴァイオリンを聴いてもらったりしています。
渋谷:
カーネギーホールと、そうした所で演奏するのは、もちろんオーディエンスの反応は違うでしょうし、子どもたちも・・・「初ヴァイオリン」ですよね?
川井:
そうです!全員「初ヴァイオリン」です(笑)
渋谷:
ですよね(笑)反応はどうですか?
川井:
それがですね、当初は、私の勝手な思い込みで、暗い気持ちを抱える可愛そうな子供たちというイメージがあったんですが、全然違うんですよ!子どものエネルギーって、とてもかなわないというか!
渋谷:
あはは、川井さんでもかなわないんだ。
川井:
そう!屋外でヴァイオリン一本で弾けるのはどんな曲があるだろうか、とかいろいろと考えたんですが、子どもたちには、そんなの関係ないんですよね。初めてのヴァイオリンにびっくりして、その音色にときめいて、その音に合わせて踊ったり、歓声があがったり(笑)
渋谷:
ふふふ。
川井:
そういう普段は味わえないような反応を味わったときに、最近の私は、音楽を作るときにどのように新しく音楽を飾ろうか、といったようなことを考えていたのが、ヴァイオリンの音色そのものが持っている力を再確認したんですよね。小さいときに初めてヴァイオリンの音色に出会ったときのときめきを思い出させてくれた感じでした。あ、私をときめかせてくれたのは、この音だったな、みたいなね。