
『幸運にも、歌劇を辞められたOGさんがやっている芸能事務所に繋がったんです』
渋谷:
もともとどういう経緯で宝塚に入ろうと思ったんですか?
彩乃:
衛星放送を見ていて、チャンネルをパチパチしていたんです、見るものがなくて「これでも見ようかな」と思ったのがたまたま宝塚歌劇だったんですが、それを見た瞬間に、「これに入りたい!」って。
渋谷:
偶然ってすごいですね。
彩乃:
あの時あの瞬間に見ていなければ入っていたのだろうか、と思うんですよね、それまでに「舞台女優になりたい」とか思っていたなら、その筋道もありえるかもしれませんが、それまでバレエもやったことはなかったし、ダンスもしていませんし、かろうじて音楽はピアノをやっていたんですけど、「まず宝塚歌劇ってどうやって入るんだろう」、というところからスタートしました。
渋谷:
ご家族の反応は?
彩乃:
お母さんに言ったら絶対反対するだろうな、というのはあったんです(笑)父も母も私自身も「普通に大学に行く」と思ってましたから。それで内緒でコソコソ動いたんです。まずは104番に電話しまして。その頃本当に何も知らなくて、「宝塚」といえば「宝塚歌劇」しかないと思っていたんです。まさか地名になっているとは申し訳ないのですが知らなくて(笑)
渋谷:
「宝塚」といえば「宝塚歌劇」の代名詞のように(笑)
彩乃:
それで電話したら「宝塚で検索しますとたくさんありますが、お客様どういたしましょうか?」って言われて。でも「たくさんあっても、何かしら歌劇に繋がっているんだろう」と思い、「じゃ一番上ので!」みたいな感じで、あいうえお順の一番上のものを指定したんです。
渋谷:
あはは!!
彩乃:
そうしたら、幸運にも、歌劇を辞められたOGさんがやっている芸能事務所に繋がったんです。
渋谷:
おーー!地名の「宝塚」で検索して無数にある中で、それがヒットしたんですか!
彩乃:
ええ(笑)「うちは違うんですよ」とおっしゃっていましたが、実は宝塚歌劇は、まず音楽学校に入らなくちゃいけなくて、とかいろいろと教えてくださったんですよ!私は「オーディションは常時募集」だと思っていたんですが、毎年春に受験して、4月にスタートする学校システムなんだと、そこで知りまして。
渋谷:
そのときは何月だったんですか?
彩乃:
連絡したのが8月だったんです、それで今年の試験内容を学校から送ってもらって、それもお母さんにみられないようにポストに先に取りに行って(笑)
渋谷:
あはは。
彩乃:
バレエも内緒で通ったんです(笑)
『『千の風になって』は皆さんの琴線に触れるような曲なんだ、と。』
渋谷:
(曲がオンエアされて)彩乃かなみさんで『千に風になって』を聴いていただきました。私は以前、生でも聴かせていただいていまして、その時も良い曲だと思いましたが、この曲を歌ってみていかがでしたか?
彩乃:
ありがとうございます。今私にとっても大切な曲のひとつで、お客様もこの曲が大好きですと言ってくださる方が多いので、とってもうれしいのですが、初めて劇団から「この曲を歌ってください」と言われたときに、いろいろ思いましたね。宝塚歌劇団のなかで阪神大震災のチャリティコンサートがありまして、そのときに手渡された譜面だったんですが、歌詞が「私のお墓の前で」とか「死んでいません」とか・・・
渋谷:
そうですよね、印象の強い歌詞ですよね。
彩乃:
初めて譜面を見たときは、活字から目に飛び込んでくるじゃないですか。こんなに直球の歌詞ってそれまでの宝塚であまりなかったんですね。「これって歌っていいんだろうか」と思ったんです。
渋谷:
テーマが宝塚ではあまり取り上げないことかもしれませんね。
彩乃:
でも「歌っているとすごく素敵な歌だし」と思うんです。ですから板の上(舞台)で皆さんにお披露目するまで、すごくドキドキした曲でしたね。
渋谷:
この曲が今の様によく知られる前でしたから。
彩乃:
そうなんです。それで「どうなんだろうどうなんだろう」と思いながら歌ったんですが、歌った後の反響が、ありがたいことにすごくて。
渋谷:
やはり。
彩乃:
『千の風になって』は皆さんの琴線に触れるような曲なんだ、と。私自身も教えてもらったようなものでしたね。