
『父親が家族4人分のマイルス・デイヴィスのチケットを取ってくれて』
渋谷:
TOKUさんが一番影響を受けた人は?
TOKU:
父親ですね。とにかく音楽好きで。
渋谷:
演奏してたんですか?
TOKU:
そうですね、小さい頃からクラシックをすごく聴いていた人で、自分で演奏してたのはブルーグラスというジャンルです。カントリーの中で、弦楽器しか使わないもので、ウッドベース、ギター、バンジョウ、バイオリン・・・フィドルと呼ばれていますけど、そしてマンドリン。その辺の楽器は全部演奏するんです。
渋谷:
そんなにたくさん。
TOKU:
ブルーグラスをやる人はたいてい2つ以上を演奏するんです。演奏もするし歌も歌える、というジャンルがあって。
渋谷:
お父様はそういうジャンルをやっている方なんだ。
TOKU:
そうなんです。そしてジャズだと、特にマイルス・デイヴィスという人が好きで。僕が小学3年?・・・4年?
渋谷
:・・・
TOKU:
いや5年?
渋谷:
あはは!
TOKU:
だいたいそのぐらいの頃(笑)、地元にマイルス・デイヴィスが来たんですよ。
渋谷:
新潟に?
TOKU:
そう。そんな機会めったにないだろうと父親が家族4人分のマイルス・デイヴィスのチケットを取ってくれて。
渋谷:
すごい。
TOKU:
相当高かっただろうと思うんですけど、連れてってくれたんです。でも覚えているのは、とにかくうるさかったこと(笑)あと親父がやたら興奮していたこと(笑)
渋谷:
でも今のTOKUさんに生きてますね。
TOKU:
この記憶がどこかに眠ってたんですかねぇ。進んだ中学で入りたかったサッカー部がなくて、なんとなく吹奏楽部に入ってコルネットという楽器を吹くことになったんです。その後ロックやポップ、パンク、フォークといろいろとやってて。
渋谷:
いろんな音楽をやってたんですね。
TOKU:
そうなんです、で大学に入ったときにCD屋さんでアルバイトしていたら、 マイルス・デイヴィスの50年代の演奏を集めたCDがあったんです。それをなんでか買って聴いて。僕が知っているマイルスは80年代のポップなサウンドをやってたんですけど、このCDで「この人も昔はモダンジャズというのをやってたんだ」ってことを知って興味が湧いたんです。それで聴きよう聴き真似でコルネットを吹いて、文化祭でもマイルスの真似をして吹いていたところ、あるドラマーの人に聴かれて。その人が演奏しているお店に連れていかれてセッションして。それで「全部演奏はアドリブだ」ってことがわかって。俄然面白い!と思ったんです。
渋谷:
マイルス・デイヴィスに導かれるように。
TOKU:
それからずーーーっとジャズなんです。
『ひと吹きボレしたんです』
渋谷:
TOKUさんはフリューゲルも吹けて、トランペットも吹けるんですね。
TOKU:
JAZZを始めてすぐの頃にコルネットをトランペットに持ち替えたんですよ。その頃、アメリカに語学の勉強をしに行ったんですけど、ルームメイトがジャズピアノをばりばりやる人で、彼と組んで演奏してたんですね。そのときは、ずっとトランペットだったんです。そして戻ってきたからなんです。
渋谷:
フリューゲルと出会ったのが。
TOKU:
自分の行ってた日本の大学でビッグバンドのトランペットをやっている友達がフリューゲルを持っていたんです。
渋谷:
持ち替えて吹くために。
TOKU:
ええ。僕もフリューゲルのことを知ってはいたんですけど、触ったことも吹いたこともなかったんで、吹かせてもらったら、ひと吹きボレしたんです。
渋谷:
ひと吹きボレ!
TOKU:
音がやわらかいんですよね!
渋谷:
そうですよね〜!!