
『ある日突然メリーさんが街からいなくなってしまったんです』
渋谷:
『ヨコハマメリー』はどういう経緯から撮ることになったんですか?
片岡:
一緒に撮った監督やカメラマンは横浜育ちで、彼らはちっちゃい頃からメリーさんを身近で見てたんですね。その頃、監督の中村くんと私は北京の大学に在学していて、私もメリーさんのことは知っていたので、その話を聞いていて、それがきっかけでしたね。
渋谷:
横浜で始まったのではなく、北京で出会った仲間と始めた作品だったんですね。
片岡:
そうなんです。それで私も横浜の街にはよく遊びに行っていたんですけど、ある日突然メリーさんが街からいなくなってしまったんですね。そうしたら、当たり前にあったはずの風景が変わってしまったような気がして、じゃあ「メリーさんってどんな人だったんだろう」「どこに行ってしまったんだろう」という疑問から始まった作品だったんです。
渋谷:
風景のようになっているというか、街の一部になっているほど、存在感が大きい人だった・・・?
片岡:
まさしく!
渋谷:
街を代表する人のひとりだったのかもしれませんね。
片岡:
横浜の40代、50代の方は本当によく知っていて、横浜を代表するような存在でした。
『カメラを出すと子どもたちが寄ってきたり、レンズを手で触っちゃったり・・・』
渋谷:
片岡さんが、初の監督作品を撮られまして、タイトルは『中華学校の子どもたち』。今日から横浜ニューテアトルで公開ですね。おめでとうございます。
片岡:
ありがとうございます。
渋谷:
どういう作品か紹介していただけますか?
片岡:
山手中華学校という大陸系の中華学校なんですが、そこに通う子供たちの日常生活を記録した作品です。その子供たちの背景にいる大人たち、彼らもその中華学校を卒業しているんですが、彼らがどのうようにして中華街にやってきて、いかに華僑華人として生活しているのかを記録した作品でもあります。
渋谷:
どれくらいの時間をかけたんですか?
片岡:
3年かかりましたね。
渋谷:
3年は長いですね。
片岡:
そうですね、今4年生の子供たちが1年生だったときにスタートして、3年生になるまでを追っています。
渋谷:
拝見させていただきましたが、子供ってみるみる大きくなりますね!
片岡:
そうですね(笑)
渋谷:
すごく元気な姿が収められていますが、自然体の子どもたちを撮るために工夫したのでは?
片岡:
最初はカメラを出すと子どもたちが寄ってきたり、レンズを手で触っちゃったり・・・、ということがありましたので、本格的にカメラを持ち込む前に、半年間図工の授業を子どもたちと一緒に受けたんですね。その後カメラを出したので、カメラを出した後のほうが日常に戻ったような感じがしました。
渋谷:
子供って好奇心旺盛ですからね。
片岡:
半年間の間に彼らの中では、私はお客さんから仲間だという風に変わってくれたみたいで、その後カメラを回したときは、私が教室の中に入っていくことは自然で、カメラはその付属物だと認識してくれたんだと思います。