
『腕を掴まれたままお寿司を握るんです』
渋谷:
では2品目をいただきまーす!こちらは海老ですね?
宮田:
そうです、活けの車えびなんですけど、食べてみてください、活きているうちに茹でると美味しさが全然違うから。
渋谷:
本当だ!柔らかくていい香り〜!しかも海老のミソを残して殻を剥くんですね。
宮田:
それがおいしいの!
渋谷:
海老の味わいが甘いです!
宮田:
海老の香りって1本2本でもすーっとしますよね。注文の多いときに50、100と開いていると、店中海老の香りでいっぱいになりますね。
渋谷:
茹でる加減とかは研究されたんですか?
宮田:
そういうのは勘だよね。たぶん今食べたお鮨はやわらかいと思うの。
渋谷:
そうですねシャリがふわっとしています。
宮田:
そういうことだって、これくらいの力で握るというのはどうやって教わるのか難しいよね。スポーツだと生卵を握るぐらいの強さとか言うけど、鮨なんてわからないの。だから僕は出前用の鮨から握らせてもらったんだけど、横に親父がついて、「これくらいの強さ」と、僕の二の腕を掴んでいる。そうして腕を掴まれたままお寿司を握るんです。
渋谷:
へ〜!!
宮田:
その二の腕に感じる強さで握って、あとは勘です!
『僕は長い間「ふたりの時間を持っていた」んだよね(笑)』
渋谷:
「ふたり」がテーマの番組なんですけど、宮田さんは「ふたり」と聞いて思い出すご自身の思い出ってありますか?
宮田:
そうねぇ、僕は長い間「ふたりの時間を持っていた」んだよね(笑)というのは僕はお婆ちゃん子だったの。
渋谷:
さっきのお話では、この都寿司はお婆ちゃんが始めたお店で、当時も珍しい女性の板前さんだったということでしたが、そのお婆ちゃんと?
宮田:
そう。僕が勤めに出てたお寿司屋さんがお婆ちゃんの家の近くだったから、休憩時間になると、まかないを食べた後、自転車に乗ってお婆ちゃん家に行くの。畳の居間のテーブルにお婆ちゃんが座っていて、僕は対面に座って、お茶を飲んで1時間ぐらい・・・、1時間ちょっとぐらいかな、ふたりでしゃべるんです。
渋谷:
素敵な時間ですね!
宮田:
でしょ。それを、7,8年続けてましたよ。
渋谷:
どんな話をするんですか?
宮田:
お寿司の話とか、商売の話とか、もちろん世の中の話とか。だから僕は考え方が古いですよ、それにかなり影響を受けているから(笑)
渋谷:
そうなんだ〜。
宮田:
亡くなっちゃったけど、ふたりでお茶を飲んだ時間は忘れないですね。あのね、当時、僕は煙草を吸ってたんです。お婆ちゃんはそれを感心していなくてときどき注意するんだけど、いつも煙草を買ってきてくれて。3本なりそれを吸って、お茶を飲みながら1時間ぐらい過ごす。そういうのが僕の人生の中で大きい経験ですよね。