いつもふたりで・・・

Together with A Guest
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 2012.2.4 Guest

 珍しいキノコ舞踊団
 伊藤千枝さん



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icon 『 珍しいキノコ舞踊団は、自分が踊りたい踊りを作ろう!って思って始めたんです 』

渋谷:
珍しいキノコ舞踊団。森の中で珍しいキノコを発見すると、あ!って思いますよね。ダンス界でもそんな存在だと思うんですけど、どんなキノコなんでしょうか?(笑)

伊藤:
あははは(笑)。珍しいキノコって聞くと、ひとそれぞれイメージするものが全然違うと思うんですね。それがすごく面白いなと思って。それと一度聞くと忘れないじゃないですか(笑)。それぞれの方がそれぞれのイメージでキノコ舞踊団っていうのをイメージしてもらえるっていうのが、すごく私たちにとっては面白いし、嬉しいことなんですよね。

渋谷:
スタジオにはドコモダケもいますけど(笑)、いつ頃どんなキッカケで結成されたんですか?

伊藤:
もともと私自身はダンスカンパニーを作りたいと思って大学に入って、そこでダンスを作りたい人が何人かいたんですよね。“いつか一緒にやろうよ”って。2年生の時にやっと形になって公演をした。それが1990年ですね。

渋谷:
カンパニーを始めるって大変なことだと思うし、新しい作品を作るのはものすごく時間が取られるものですよね。だけどお金はついてこない。すごく厳しいですよね。そんな中でも突き進んでいきたいと思ったのはどうしてなんでしょう?

伊藤:
一番最初にカンパニーを作った理由っていうのが、自分が踊りたいダンスっていうのが無かったんですよね、自分の周りに。なので、自分が踊りたい踊りを作ろう!って思って始めたので、とにかく自分のやりたいことをやれる場所が欲しかったんですよね。

渋谷:
たくさんレパートリーがありますけれど、一番代表的な作品は?

伊藤:
一番自分の中でしっくりきているのが『3mm くらいズレてる部屋』っていう作品がありまして、これは舞台美術をオーストラリアのアーティストに作ってもらったコラボレーション作品で、海外でも公演していた作品なんですけど、美術がすごく変わってて面白いんですよね。その美術を見て、これで何を踊ろうか、みたいなところから始まったような作品なので、すごく思い入れもあって。もう一回観たいなって思う作品ですね。

渋谷:
この作品を海外に持っていった時、異国の空気感から感じるものも多かったんじゃないですか?

伊藤:
そうですね。オーストラリアでやったんですけども、やっぱり日本人の女の子達がどういうのをやるんだろう?っていう感じで。いつもは陽気なくせに、ちょっと構えて見られて。あぁどうしようかな、って思ってたんですけど、始まっていくに連れて観客の方もだんだんほぐれてきて、最後には一番前に座ってたおばさんが笑ってて(笑)。

渋谷:
えぇ。

伊藤:
私たちは分からなかったんですけど、途中で突然立ち上がってスタンディングオベーションをしてくれたりとか、なんかいろんなことが起こってきて、今までに無いリアクションがあったのですごい驚きましたね。面白かったです。

渋谷:
例えば、俳優の方も歌手の方も、観客の皆さんからもらえるエネルギーっていうのが、舞台の演出に大きく働きかけると思うんですが、ダンスはどうですか?

伊藤:
もう同じですね。ダイレクトにバンバンきますね。会話してる感じです。どっちが先か分かんないんですけど、そういうものをいただいて、それにお返しして、またいただいてっていうのをずっと続けている感じで。ちょっとあの感じって説明しづらいですよね(笑)。でも本当にすごいなと思います。


icon 『 やっぱりダンスっていうのは、私の良きパートナーかな 』

渋谷:
今月23日から三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで新作公演『ホントの時間』が始まるんですよね! 伊藤さんが振付け、構成、演出を手がけているんですが、今回はどんな作品なんでしょうか?

伊藤:
昨年はいろんなことが起こって、皆さんもそうだと思いますが、自分にこんなことが起こるとは全く予想していなかったことが起きた。私もいろいろ考えて、今の自分だったり、自分がやることだったり、すごく考えていたら、“自分も動物だった”って思い出したんですよ。人間も動物じゃないですか。動物ってことは自然の一部なわけだし、そういう動物の人間の私たちが過ごす本当の時間っていうのは、どういうものなのかなっていうのを考えて、今回は作ってみました。

渋谷:
今までの作品と違ったアプローチだとか?

伊藤:
今まではキノコっていうと、舞台美術とか小道具とかいろんなものが出てきて踊るっていうイメージがあると思うんですけど、今回は本当に必要なものだけを舞台に置こうと、シンプルに。ダンサーだけで展開していくというような作品になっています。

渋谷:
舞台上の美術が少ない中で空間を埋めていくっていうのは、本当に体力勝負だしハードな作業ですよね。

伊藤:
そうですね。でもやっぱり私はダンサー、振付家、演出家として、今、それをすごくしたいと。ダンサーもみんな思っていることなので。みんな今すごく集中してリハーサルしてます。

渋谷:
伊藤さんが影響を受けた振付家っていらっしゃいますか?

伊藤:
振付家でもあり、ダンサーでもあったんですけど、やっぱりピナ・バウシュに影響を受けましたね。

渋谷:
おぉ! ピナ・バウシュはものすごい存在感がありますよね。

伊藤:
1回、彼女の作品を日本で公演した時に見に行ったんですけど、その時に、何故か私が座っている後ろの席にピナが座りまして。なんか全然落ち着いて見れませんでした(笑)。普段はすごく穏やかな方で、ニコニコしてらっしゃいましたけど、稽古場では恐いみたいですね(笑)。

渋谷:
分かる気がします(笑)。コンテンポラリーダンサーなんだけど、ダンスだけじゃなくていろんなアートをやってきた方ですよね。2月25日からはピナ・バウシュの映画が公開されるので、まずは珍しいキノコ舞踊団の公演を見に行っていただいて、それからピナの3D映画もお楽しみください。では最後に、伊藤さんにとってダンスとは?

伊藤:
やっぱりダンスっていうのは、私の良きパートナーかなと思いました。楽しい時でも辛い時でも、いつでもそばに居てくれて、私を助けたり、支えたりしてくれるものなんじゃないかな、と思いました。

渋谷:
ダンスに助けられる?

伊藤:
本当に昨年は1年間、ダンスに助けられていましたね。踊ることで自分が救われたり、踊りを見ることでまた救われたり、本当にずっと助けられてましたね。

渋谷:
それは観客の皆さんも感じ取れるものだと思いますか?

伊藤:
そうですね、ぜひ、そうであってもらいたいというか、特に今回の作品に関してはそういう自分の体験も踏まえて作っているので、とにかく何かを感じていただければと思ってます。


珍しいキノコ舞踊団 伊藤千枝さん
振付家・演出家・ダンサー・珍しいキノコ舞踊団主宰。1990年、日本大学芸術学部在学中に珍しいキノコ舞踊団を結成。以降全作品の演出・振付・構成を担当。作品発表のほか、映画、映像作品、演劇、CMへの振付、出演、他のアーティストとのコラボレーションなど、その活動は多岐にわたる。2007年、映画「めがね」、UA「黄金の緑」などの振付を担当。2月23日より新作公演「ホントの時間」上演。


珍しいキノコ舞踊団

新作公演「ホントの時間」
2/23(木)〜26(日)全5公演
@世田谷パブリックシアター(三軒茶屋)



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